車掌は発車ブザーを押した後に何を確認している?|現役車掌が実際の流れを解説

車掌の体験談

電車に乗っていると、

「ドアが閉まった後、車掌さんは何をしているんだろう?」
「発車ブザーを押したら仕事は終わりなの?」

と思ったことがある方もいるのではないでしょうか。

実は、発車ブザーを扱った後も車掌はさまざまな確認を行っています。

安全に列車を出発させるためには、ホームや車両に異常がないか確認する必要があり、一つでも見落とすと重大な事故につながる可能性があります。

私自身も現役車掌として乗務していますが、発車ブザーを押した後こそ神経を使う場面だと感じています。

この記事では、

・発車ブザーを押した後に確認していること
・出発までの実際の流れ
・車掌が特に注意しているポイント

について現役目線で解説していきます。

発車ブザーを押したら終わりではない

まず知っていて欲しいことがあります。
発車ブザーを押すと言うことは完全に安全だという認識のもと、押しています。

押したと言うことは、運転士が運転を始めることを指します。
よって、まだ力行操作をして電車が起動していなくても運転が始まっていることになります。

車掌はこの時やれることは、非常ブレーキスイッチを操作する以外方法はありません。
例えば、発車ブザーを押したとします。
その後、
・何か物が挟まっているように感じた
・電車に接近してくる旅客を発見した
・車側に異常を感じた
このような時に関しても、電車が動いてないから大丈夫と思っていても絶対にドアを開けてはいけません。
繰り返しになりますが、車掌は非常ブレーキを操作します。

なぜ、このようなことを書くかと言うと、車掌によくあるミスだからです。
車掌は日々、停止位置に到着した時に車掌スイッチに手を持っていってドアを開扉しています。

慣れによるものもあるので、異常に関してもついつい出発ブザーを押した後に動いていないからと言ってドアを開けてしまいがちです。
これは運転の途中にドアを開けたと言う危険行為の扱いになるので、車掌はミスとして扱われます。

では、出発ブザーを押した後に物が挟まっていたように感じたと思ったらどうしたら良いか?
それは、非常ブレーキを操作して、運転士に何で止めたのか連絡します。
その次に指令所に操作した旨を無線で報告します。
司令所がドアを開扉して安全を確かめるように指示が来たらドアを開扉し安全を確認します。
これは所定停止位置で電車が起動していない場合になります。

安全の確認が終わったら、運転士にインターホンを通じて発車させます。
これが正しい取り扱いです。

発車のブザーを押したら終わりではなく、何か起こる場合があるので車掌はよく周りを確認しておく必要があります。

ドアが完全に閉まったか確認する

ドアが閉まっていても、よくあるのが車側に挟まっているのランプがつくことがあります。
これはラッシュによく起こり得る事象です。

その理由は安全の為に何ミリ以上挟んでいたら挟んでいるの判断を車両が検知しているからです。
仮に車掌が安全と思って出発のブザーを押しても運転士の方でも挟まっているの検知がされていれば発車することは出来ません。
それくらい保安装置が精密です。

ドアが閉まったら、慎重にしっかり各ドアが閉まっているのか
ドアから物や衣類が外に出ていないか確認します。

本当に大丈夫と判断すれば、出発ブザーを押します。

ホーム上に異常がないか確認する

車掌はホームを抜け終わるまでは乗務員室から顔を出してホーム上を確認しています。

電車の速度も結構早いのですが、意外と異常の有無にしっかり気づくことが出来ます。

ホーム上にうずくまっている方を見つけたら、ホーム通過後に司令に無線を入れて、どの付近で男性か女性か年齢はどのくらいかなど詳細を伝えます。

異常の判断で、車掌は非常ブレーキを操作するか判断します。
その全ての判断は車掌になるので、車掌が危険と判断して非常ブレーキを操作したからと言って、何で操作なんかしたかなんて、誰からも言われることはありません。

そう言った意味で、判断力がものすごく大事です。
逆を言えば、このくらいなら大丈夫だろうと思って非常ブレーキを操作しなければいけない場面で操作出来ない方が後々言われてしまいますし乗務を数日間出来ず教育を受けることもあります。

躊躇する気持ちも正直わからなくはありません。
私も、一度出発ブザーを押した後に、旅客が車側を叩いてきたことがあり非常ブレーキを操作したことがありました。
一瞬迷いました。
操作する?操作しないで行っちゃうか?
でも結果的に安全の為に操作出来て良かったと思います。

なかなか車掌が、非常ブレーキを操作する場面が少ないので、操作する訓練もあったりします。
一瞬の判断が安全を左右する仕事なのでそのような訓練もあったりします。

ちなみに、1秒迷って操作できないだけで数十メートル電車は動いてしまいます。
危険があって躊躇してしまうと、これが挟まっていたのが人だったら大事故です。

そう言った意味で車掌は、出発のブザーを送信したらホームを通過し終わるまで安全を確認しないといけません。

実際に私が一番気をつけていること

終車近くが一番気を付けて作業しています。
理由は、先ほど書いたように一度車側に触れてきて非常ブレーキを操作したのですがあれはお酒を飲んだ後の別れだったと思います。
酔いがあると動いている電車関係なく接近してくるので怖いです。

発車ブザーを押しても油断は全然出来ないのが実際のところあります。
千鳥足でホーム上を歩いている人もいれば、別れの為に手を振っている方もいます。

なので、私は何があっても良いように、いつでも非常ブレーキを操作出来るように準備しています。

これから車掌になる方は経験すると思いますが、日中時間帯と夜終車近くの車掌の作業は全然違うと感じると思います。

ラッシュ時間帯を過ぎていても、終車近くの乗車効率は100パーセントを普通に超えています。
金曜日なんてすごいです。
冗談抜きで150パーセント以上、もう終電近いのにこんなに乗っているのだとびっくりします。

そのような環境の中で、安全を確かめて出発ブザーを押すのでとても神経を使っているのが現状です。

気を付ける場面が、それぞれ違うかもしれませんが一つの参考として知っておいて頂ければ幸いです。

まとめ

発車のブザーを運転士に送ったら、ホーム上の安全を確かめています。
ブザーを押した瞬間から、運転士に運転をして良いと合図を送ったことになるので電車が起動していなくても動いているとみなしています。

動いていなくても何か異常を感じて、報告もせず車掌の判断でドアを開けて閉まったら取り扱いミスです。これは知っておいて欲しい知識なので、これから目指す方は車掌になった時にこんなこと書いてあったなと参考になるかと思います。

いつ何が起こるのかわからないのが車掌の仕事につきものです。
異常を感じる能力
一瞬の判断
躊躇しない非常ブレーキの操作
発車後はこれらの知識と技術が必要です。
経験を積めば養われます。

「周囲の安全確認」これが発車ブザーを送った後の確認していることです。

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