車掌と駅員はどう連携している?|実際に乗務してわかったこと

車掌の体験談

電車を利用していると、

「車掌と駅員ってどうやって連携しているんだろう?」
「無線で話しているの?」
「遅延やトラブルの時はどうしているの?」

と思ったことがある方もいるのではないでしょうか。

実は、電車を安全に運行するためには車掌だけではなく、駅員との連携が欠かせません。

ドア扱い・遅延時の対応・急病人対応・忘れ物対応など、さまざまな場面で車掌と駅員は協力しています。

私自身も現役車掌として乗務していますが、1日に何度も駅員と連携する場面があります。

この記事では、

・車掌と駅員が連携する場面
・実際にどのようなやり取りをしているのか
・異常時にはどんな連携を行うのか

について、現役目線で解説していきます。

車掌と駅員はなぜ連携が必要なのか

これは、車掌と駅員の連携に限った話ではないのですが電車を動かし安全にお客様を輸送するのに車掌だけで仕事することは出来ません。

電車を動かすのに、
車庫で電車が正常に動くのか検査する人がいて
線路に異常がないか確認する人がいて
電気が正常に通電しているか確認している人がいて
電車の運行を守る指令を出す人がいて
電車を動かす運転士がいて
駅の安全を守る駅員がいて

全ての職種が連携を取って鉄道の安全が守られています。

では、車掌と駅員はどこで連携を取っているかと言うと「電車を発車させる時」が特に連携を取っているところになります。

車掌は駅員がホームにいない時に直接無線でやり取り出来るのかと言うと、
結論「出来ません」
では、どのように呼ぶのかと言うと無線で指令員を呼び出して要件を伝えた上で指令員が駅員が必要であれば駅員が応援に来ると言った流れになります。
ちなみに乗務員室にある電話機のような物は、運転士と会話する手段であったり、指令とやり取りする為の機器で駅員とやり取り出来る機器は備わっていません。

基本的に、車掌が駅員の応援を依頼すれば、指令員は駅員の応援をお願いしてくれます。
連携する場面として、
・異常時があった時
・遺失物があった時
・車内清掃をお願いする時
・混雑率がすごくドアがなかなか閉めれない時
・合図が必要な時
・入庫時の車内の確認の時
・ホーム整理が必要な時
このような時に駅員と連携を取って、電車を発車させています。
これだけでも、連携を取る場面が多いことがわかるかと思います。

発車時の連携

車掌が駅員と主に連携するのはこの発車時になります。
発車メロディーが鳴り終わった後にドアを閉める際、駅員は放送で「ドアが閉まりますご注意下さい」と放送してくれます。
そのタイミングをみてドア閉扉をしています。
車掌位置から見えず、再開扉して下さいと放送があれば再開扉して再度ドアを閉めたりもします。

車内の遺失物捜索に関しても、駅員から運行番号を伝えられた上で車内捜索に入る等の放送を聞いて連携を取りながら発車まで待機したりしています。
これは車内清掃の取り扱いも同様の扱いです。

閑散としている駅は駅員がホーム上にいないので、車掌がホーム上の安全も確かめなければいけないのですが乗降数の多い駅では、駅員がホーム上に立っています。
駅員が立っている時の安心感は正直な気持ちすごくあります。
ラッシュ中はドア閉める際、閉めた際、出発した際
・挟まないか
・駆け込みはないか
・駆け降りはないか
・挟んでいないか
・出発した際に通過時に触車しないか

心配することが発車までにたくさんあります。
こういった心配が駅員がいれば、駆け込みを防止などしてくれるので助かっています。

車掌になった時、駅員がいるといないで全然違いがわかると思うので連携を取っている実感が得られると思います。

遅延が発生時の連携

特に連携を感じる場面は、朝ラッシュ中です。
遅延が発生すると混雑が混雑を呼んで遅延が膨らんで行きます。

状況によっては駅員が混雑車両付近に複数人立ってくれていて、ドアを閉めた際にしっかりとドアがしまっているのか手合図をしてくれて、発車に問題がなければ主合図者が合図を出してくれます。

よく、朝ラッシュ中に何人も駅員がドアの前に立っているシーンを見たことはないでしょうか?
車掌は何が挟まっているのかとても見えずらいので合図をくれるだけで、とても助かっています。

このような連携がないと、一向にドアが閉められず発車出来ないので遅延どころかダイヤが乱れてしまうと思います。

急病人発生時の連携

急病人発生時は、まず車掌が運転士に共有、指令に共有(駅員の応援を依頼)し、現場に車掌が向かって駅員と合流して連携を取る流れとなっています。

多くのお客様が乗客しているので、早く発車させる必要があります。
その為、駅員が現場に来た場合は引き渡しをし、すぐに乗務員室に戻って発車させる準備をします。
どこで具合が悪くなったか?
持病があるのかないのか?
などゆっくりと打ち合わせとかはしてないのが実際の現場での対応になります。

腹痛でしたら腹痛です
貧血気味でしたら貧血のようです
吐き気があったら吐き気があるようです
など、簡潔明瞭に伝えて引き継ぎしています

忘れ物や落とし物の対応

大体の流れは、
1:お客様が車内にお忘れ物する
2:お客様が駅員に「今行った電車」「何本前の電車」など遺失物の問い合わせをしてきます
3:駅員が、車内捜索出来そうな途中駅に連絡
4:対応できる駅がホーム上で準備して、「放送で遺失物捜索お願いしますや運転調整お願いします」で車掌は、その放送を確認して駅員は車内に入って遺失物の捜索をします。
5:駅員の終了した旨の放送を確認後、車掌は発車メロディーを鳴らしてドアを閉めて発車させる

このような流れで、遺失物捜索が行われます。
基本的に駅員は車掌位置まで来ないで放送で対応します。

年に1回あるかないかの事象で、
電車進入前に駅員が放送して車掌が気づかずに駅員が遺失物捜索時にドアを閉扉して発車させてしまう

連携が取れていないことで、このようなことが発生してしまっています。

私自身も、ヒヤリとしたことがありました。
その駅員は、駅で一緒にやっていたことがある先輩で全く放送が聞こえなかったことでドアを閉めそうになり後々「何してんのって・・・」メールが来ていました。

忘れ物や落とし物の対応は放送一つで連携を取らなければいけないのでミスするリスクあります。

異常時は駅員との連携が特に重要

私は特に重要だと感じています。
異常時にも色々種類があるのですが、全てにおいて必要です。
例えば、何かの異常時に当たって「運転見合わせ」その後「折り返し運転」すると言った事象になったとします。
ホーム上に駅員が滞在していない時間帯であれば、応援に来てホーム整理をしてくれます。
駅事務室内から改札外や改札内、ホーム上に運転見合わせについての放送を実施してくれます。

それだけでも、車掌にとっては、車外放送(乗務員室内の放送は車外に切り替えることで放送できます)をしなくて済むので車内のお客様のことに集中出来ます。

また、運転再開になった時は長時間ドアを開けて待機しているのでドアを閉める時が混雑していてものすごく大変です。
そのような時でも、駅員が応援に来てくれているので放送でドアが閉まる旨の放送をして抑止してくれるのでドア閉扉を安全に閉めることが出来ます。

急病人発生やドア故障になった時に関しても基本は駅員が応援に来てくれます。
駅員が乗務員室まで来てくれて「安全確認取れたので発車させて下さい」と言いに来てくれたりします。
車掌としては、発車させれる準備が整ったと安心出来るので連携が如何に重要かがとてもわかります。

実際に私が助けられた場面

正直なところたくさんあります。
私は担当列車でこの1年間
・車内急病人
・車内トラブル(お客様同士の喧嘩)
・乗務員室前に大量の血溜まり(人の血ではない生臭かったので魚の匂いだったと感じた)
・ドア1扉故障
・ドア全ドア故障
・戸袋障害
・ホーム上緊急停止作動
・触車
・駆け降り旅客のドア挟み

覚えている限り、このような異常時に当たっていますがどの事象に関しても駅員が応援に来て全てにおいて助けられています。

現地に行くか行かないかは指令の判断になるので、駅員が安全確認を行なってくれます。
常日頃からイメージトレーニングをしているので迅速に対応してくれるのと安全確認取れてるから発車させて下さいの声かけをしてくれるので本当に助けられています。

これから車掌を目指す方、是非知っていて欲しいのが
まず、1年間だけでもこれだけ異常時に当たるリスクがあると言うこと。
異常時に当たったとしても、駅員が応援に来てくれるので一人で抱え込まないで大丈夫だと言うこと。

車掌は一人ですが、全てを一人で対応する訳ではないので怖いなって思わないで頂ければと思います。

まとめ

意外にも連携する場面が多いと感じられたのではないでしょうか?

今時間帯によっては改札が無人であったり、ラッシュの時間帯以外はホーム整理員がいないと感じるかもしれませんがこれは時代の流れで、実際のところ間違いではありません。

異常時の時、駅員いない時の初動は車掌が対応する。
駅員は後から必ず応援に来て、発車させる時には必ず連携を取って発車させています。

ドア閉扉する時もそう、発車させてからホームを通過し終わるまで何が起きるかわからないので
駅員がいるだけで、車掌の安心感はものすごいあります。

これから車掌になりたいまたは目指す方の参考になれば幸いです。

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