車掌は終点到着後に何をしている?実際の流れを解説

車掌の体験談

電車に乗っていて、

「終点に着いた後、車掌さんって何してるんだろう?」
「すぐ反対方向へ行くけど、その間に何をしてるの?」
「反対方向に行ってない車掌は、どうしているの?」

と気になったことがある方もいると思います。

実際、終点到着後は意外とやることが多く、
短い時間の中で様々な確認や準備を行っています。

私自身も現役として働いていますが、
終点では次の列車を安全に出発させるために、
時間がない時は、かなり慌ただしく動いています。

特に朝ラッシュやダイヤ乱れ時は、
折り返し時間がほとんどないこともあります。

この記事では、

・終点到着後の実際の流れ
・車掌が確認していること
・折り返し時間が短い時のリアル
・終点ならではの大変さ

について、現役目線で解説していきます。

終点到着後はまず何をしている?|結論

結論:これには大きく3つのパターンがあります。
・入庫
・車庫(折り返し線)に入れてから反対ホームに据えつけ、そのまま担当する
・終点到着後、引き継いで反対ホームで別の列車を担当する

勤務によって、それぞれあります。
今回は2つ目の車庫(折り返し線)に入れてから反対ホームに据えつけ、そのまま担当する
これに付いて、詳しく書いていこうと思います。

理由は、車庫に入れた後に折り返し時、車掌が何をしているか車掌にしかわからないことがあるからです。

終点到着後まず最初にやること

車庫に入れた後は、運転士と車掌は位置を交代します。
折り返し反対ホームで行先で担当した電車と反対の復路を担当する為です。

この時、ただ位置を交代している訳ではありません。
確認していることは意外にもたくさんあります。
・各ドアの異常の有無
ドアが正常に閉まっているか?当たり前に閉まっていると思っていても、ごく稀に異常であったり、いたずらでいじられている可能性もあるので、しっかり一つ一つ確認しています。

・非常用ドアコックの確認
これは各ドアの確認と合わせて確認しています。
緊急時にお客様も操作することができるものです。これを操作すると閉まっているドアを開けることが出来てしまう為、いたずらで操作されていないか確認しています。

・非常通報ブザーの異常の有無の確認
・消化器の確認

・空調の確認
空調については、自動設定にしている場合は車内のお客様の混雑状況を判断して冷房・暖房・送風・除湿など自動で稼働しています。
その為、実際にはとても暑く感じたり寒く感じたりする為、位置を交代している最中に各車両自分で確認するようにしています。
車掌位置についたら自動設定から変更しています。

・ゴミ清掃
・遺失物の確認
終点に到着すると、寝ていたお客様が急いで降車したりする為に結構スマートフォンや網棚に置いていたものを忘れたりします。
雨の日は傘の忘れ物が非常に多いです。

これらはお客様の貴重な財産になるので、何号車で落ちていたのか?メモをして反対ホーム据えつけ後に駅に届けるようにしています。

・バックカーテンの戻し
日差しが強い日に関しては、眩しい為に座席の後ろにあるカーテンがおろしてあることがよくあります。
折り返し電車は、始発になるのでバックカーテンを元に戻して綺麗な状態で乗車して頂く為に位置交代して車内を歩いている最中に戻すようにしています。

車内確認で特に気を付けていること

結構よくあることが、終点駅に付いて車庫に入れる際に駅員が車内の確認をしてくれて問題なければ合図が来てドアを閉扉しているのですが、階段を登って来たお客様が間に合うと思ってドアを閉扉するタイミングで飛び乗ってくることがあります。
特に日中時間帯は日差しでテレビモニターが見づらい為に駅員の合図を頼りにドアを閉めているのですが気がつけない時がよくあります。
その為、車庫へとお客様を連れて行ってしまうことがありその際は特に注意しています。

位置交代時で発見した時には、お客様にどこまで行くのか確認し出来る限り車掌位置まで一緒に連れて行きます。
理由は、車外脱出してしまったら「線路内立ち入り」「人身事故」の危険性があり緊急停止してしまうからです。
また車内の緊急に操作する車内非常通報や非常用のドアコックなどを操作されてしまう可能性があることから出来る限り車掌位置に一緒に誘導するようにしています。

車掌位置に戻ったら、指令に残留客がいる旨を報告して詳細を伝えます。
お客様の動揺を防止することが最も大事で、このようなことがあったら気を付けるようにしています。

実は折り返し時間が短いことも多い

遅延やダイヤ乱れになったり、終点時の確認に時間を要してしまうと折り返し時間が短くなることがあります。
この時はトイレに行くことが難しいので折り返し担当して事務所まで戻る際にトイレ大丈夫か不安になったりします。
結構これはやばいかもしれないと思ったことがいっぱいありますが我慢して今のところなんとかなっています。乗務員はこのようなトイレ事情の心配を抱えている方はたくさんいるかと思います。

車掌はトイレに行きたいときどうしているのかについては、こちらの記事に詳しく書いています。
車掌ってトイレどうしてるの?我慢するの?|現役が教えるリアル

また、折り返し時間が短い又は短くなってしまった時は次の折り返し電車が定時運行出来るように位置交代時、走って急いで遅延をまいている時もよくあります。
運転士が急いでいると、車掌も急がなければそんな気持ちになります。
二人で協力して列車を担当していることからそのようなことがあります。

折り返し列車の準備をする

車掌位置に着いたら、今度は折り返し列車の準備をします。
・行先確認
・運行番号
・種別
に問題がないか設定して確認します。

位置を交代しているので、
車掌スイッチに問題はないか
緊急停止するスイッチに問題はないか
車内放送はしっかり車内に入るか
機器の点検を行います。

この時に異常の有無がわかった場合は、指令に報告します。
基本ないことがほとんどですが、過去に車内のマイクが右側は入ったのに、左側のマイクが入らないといったことがありました。
営業には支障ないものの、反対側が使えなくなってしまったら伝えたい情報が伝えられないことがあるので次の終点についた時に車両交換になったりします。

少しでもいつもと違う小さなことでも、情報は共有するように心がけています。

ダイヤ乱れ時はさらに慌ただしくなる

急いで、位置を交代しなければいけない
トイレにはいけない
これだけでも結構大変に感じると思います。

無線が入って、行先変更・着番線変更・運行番号変更・引継ぎ時は対面での引継ぎかインターホンでの引継ぎか指示が飛んでくることもよくあります。
ゆっくりしている余裕がないのがダイヤ乱れ時です。

折り返し電車を担当する準備の他にやることが増えることがあるので、準備が大事です。

ただ、ここで大事なことは自分が最優先です。
運転士が急いでいて、気を遣うこともありますが自分が終点到着後にお腹が痛くなってトイレに行きたくなったらそこで一言言えば運転士もわかってくれますし、指令に伝えるなら指令もわかってくれます。
伝えたからと言って文句なんて言われないので安心して下さい。

自分が我慢したことで、ミスなんてしまったら電車が遅れるよりずっと迷惑をかけてしまいます。
鉄道は安全が最も大事なので、責任を感じてしまうかもしれませんが折り返す前はお客様は乗車していないので次の準備と思って自分の体調を一番に考えて欲しいと思います。

終点=休憩ではない

ここまで来ると車掌が終点に到着したら休憩はしていないということが分かったかと思います。
終点に到着したら、次の準備をしているが正解です。

車内の状況を確認して車掌位置まで着いたら機器点検や行先や空調等の確認をしている。
トイレに行きたければ、そこで行っている。
限られた時間しかないので、ゆっくりしていることはほとんどありません。

なかなか知らない部分かと思うので、こんなことやっているんだと知って頂ければ幸いです。

まとめ

終点に着いたら、ただ位置を交代しているのではなく次始発電車で安全に快適に運行出来る準備をしています。
車掌の業務はドア操作や車内放送だけではなく今回の記事では少し変わった視点で紹介させて頂きました。これから車掌を目指そうと思っている方は、この記事で終点時の作業を少しでも理解が出来るかと思います。
目指す準備が出来るようにこれからも車掌を経験したからお伝えできることを発信出来ればと思います。

少しでも、興味を持って頂ければ幸いです。

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