車掌の仕事というと、
「ドアを開け閉めする」「車内アナウンスをする」など、比較的シンプルな仕事に見えるかもしれません。
しかし実際にやってみると、想像していなかった大変さを感じる場面がいくつもあります。
今回は、私が車掌として働く中で感じた「意外と大変なこと」について書いてみたいと思います。
私自身も車掌になるまでは「ここまで神経を使う仕事だ」とは思っていませんでした。
実際に乗務して初めて分かった現実を、現役車掌の目線で紹介します。
常に周りを見て行動する必要がある
車掌の仕事は、ただ決められた作業をするだけではありません。
ホームの状況やお客様の動き、乗降の様子、車内の状況(空調管理も含みます)、アナウンスがちゃんと聞こえる状態かなど、常に周りを見ながら行動する必要があります。
例えば、発車のタイミングでも、駆け込み乗車がないか、ドア付近に危険な状況がないか、ドア挟みしていないかなどを確認しながら判断します。
一つの判断が安全に関わるため、集中力を切らさないことが大切です。
特にラッシュ時間帯は、一人のお客様だけを見るのではなく、ホーム全体・車内・信号・発車時刻などを同時に確認しなければなりません。
一つのことだけに集中すると、別の危険を見落とす可能性があるため、常に広い視野を持つことを意識しています。
時間を意識しながら行動する
鉄道は基本的にダイヤ通りに運行しています。
乗務員に関しては秒単位で管理しています。
上司が乗ってきたら、秒単位の遅れ等報告しています。
引継ぎ時も同様に秒単位です。
乗車降車するお客様には電光掲示板や時刻表にも載っていますが秒単位ではなく分単位です。
そのため、車掌も時間を強く意識しながら仕事をする必要があります。自分の列車が遅れているからと言って、作業を省いて短縮することないようにして下さい。
ドア扱いや確認作業など、やることは多いですが、必要な確認をしながらスムーズに進めなければいけません。
安全を守りながら時間も意識するという点は、意外と大変だと感じる部分です。
大変の他に、経験年数が若い方は時間に追われることに集中が行ってしまいミスが多発する傾向があります。
「急げ」と教わることはありません。
指導員から何度も言われたのは、「安全を確認した上で定時運転を目指す」ということでした。
遅れを取り戻そうとして確認を省略することが、一番危険だと教わりました
体力も意外と使う
車掌の仕事は立ち仕事が多く、意外と体力を使います。
長時間立ったまま乗務することもありますし、車内を歩いて確認する場面もあります。
また、混雑している列車では、車内の状況を確認するだけでも大変なことがあります。
明けでは、立ってるだけなのにめちゃくちゃ身体疲れているじゃんと感じると思います。
私は、明けのほとんどが帰った後寝てしまいます。
結構運動する習慣があってもこうなっているので、参考にして頂ければと思います。
こうした部分は、実際にやってみて初めて分かる大変さかもしれません。
立っているだけだから楽そうに見えるかもしれませんが、実際は集中し続けているため、精神的な疲労も非常に大きいです。
明け勤務で帰宅すると、想像以上に疲れを感じることが多くあります。
責任を感じる仕事
車掌の仕事は、多くのお客様の安全に関わる仕事です。
お客様の立場になって初めて、「放送があるだけで安心できる」ということに気付きました。
だからこそ私は、異常時こそ早く・分かりやすく放送することを意識しています。
そのため、一つ一つの確認や判断に責任を感じる場面があります。
車内放送もみんな聞いています。
先日仕事の帰り道にホームで異常のブザーが鳴ってしばらく動きませんでした。
車掌の放送を待ってみると、具合の悪いお客様の対応を行なっているとのことでした。
いち早く状況を説明することの大事さを客観的に見て分かった瞬間でした。
自分自身も同じようなことがあったらすぐに状況を伝えることを意識しようとより思いました。
最初は緊張することもありましたが、経験を重ねる中で「安全を守る仕事なんだ」という意識が強くなりました。
大変なこともありますが、その分やりがいを感じる仕事でもあります。
覚えることも想像以上に多い
車掌はドア扱いだけ覚えれば良い仕事ではありません。
・路線知識
駅名出口方向乗り換え箇所、駅周辺情報を知っておくと放送や接客時役立ちます。
・駅ごとの特徴
どこに階段やエレベーター、駆け込み箇所が多いのか把握しておくとドア挟みのリスクが下がります。
・異常時対応
異常時でも種類が多いです。内容を覚えることも必要ですが、報告手順をしっかり覚えておくことも大切です。
・放送
臨機応変な対応することもあります。注意喚起の放送。遅延時のお詫び放送。放送は乗車しているお客様の不安を除く為にも聞きやすさわかりやすさが大事です。
・信号
ダイヤ乱れ時、列車間隔が短いといつも開いている信号が調整のために開いていないときがあります。
見落とすと事故になってしまうとので、指で指して声に出してしっかり確認することが大事です。
・時刻
秒単位で運行しています。1秒でも早く出してしまうと早発になります。ゆっくり作業し過ぎても遅延してしまいます。時間を常に気にすることが大事です。
・車両の扱い
ドアの番号、非常通報ボタンの位置など車両全てのことを知っていなければいけません。これらは異常時になった時にどこで異常が発生しているか正確に報告することで迅速に対応できるからです。
最初は覚えるのが難しいですが、車掌はしっかり理解しておく必要があります。
これらを覚えながら乗務します。
ちょっと自分の中で、不安と感じる場合はメモ帳を確認したり場合によっては運転士にインターホンで確認するようにしています。
まとめ
車掌の仕事には、外から見るだけでは分からない大変さがあります。
周囲の状況を確認しながら行動すること、時間を意識すること、体力面、そして安全に対する責任など、さまざまな要素があります。
実際に働いてみて初めて分かることも多いですが、その経験を通して車掌という仕事の大切さを改めて感じています。
もしもっと聞きたいということがあったら相談して頂ければと思います。
大変なことは確かに多い仕事です。
しかし、その一つ一つに意味があり、お客様の安全につながっています。
私も最初は戸惑うことばかりでしたが、経験を積むことで少しずつ余裕が生まれました。
これから車掌を目指す方には、「最初から完璧を目指さなくても大丈夫」ということも伝えたいです。
関連記事
・車掌の仕事とは?仕事内容・きつさ・やりがいを現役が徹底解説
・車掌の仕事に向いている人|実際に働いて感じた特徴
・車掌の仕事はきつい?実際に働いて感じた本音
・車掌の仕事で大変だと思う「確認」について


コメント