【現役車掌が解説】車掌に向いている人・向いていない人|必要な能力と適性を実体験で紹介

「車掌の仕事に興味はあるけれど、自分に向いている仕事なのだろうか?」

鉄道会社への就職を考えている方や、車掌を目指している方なら、一度はそう考えたことがあるのではないでしょうか。

私自身も車掌になる前は、「責任が重そう」「自分に務まるのかな」と不安を感じていました。

実際に現場で働いてみると、体力だけではなく、冷静さや確認する力、周囲を見る力など、さまざまな能力が求められる仕事だと実感しています。

この記事では、現役車掌として働く中で感じた「車掌に向いている人・向いていない人の特徴」や、実際に必要だと感じた能力について、実体験を交えながら紹介します。

これから車掌を目指す方の参考になれば幸いです。

車掌に向いている人の特徴

車掌に向いている人は、特別な才能を持っている人ではありません。
電車のことが詳しくなくても、車掌の採用に合格出来れば座学で勉強するので心配する必要はないです。

実際に働いて感じるのは、「基本的なことを毎日丁寧に続けられる人」が一番向いているということです。
みんな分単位で行動していて、乗務中は秒単位でダイヤ通り運行しているので時間管理が出来ることは重要で、ルーズじゃない人は向いていると思います。

列車は毎日同じように運行していますが、毎日まったく同じ状況になることはありません。

そのため、少しの変化にも気づき、安全を最優先に考えて行動できる人ほど車掌として成長していきます。

また、自分だけで判断せず、運転士や駅係員、指令と協力しながら仕事を進められる人も現場では信頼されます。

少しでも普段と異なることを感じたら、これくらい大丈夫と思わず情報を共有しておくこと
ヒューマンエラーは誰にでもあるので、ミスした時に隠さずにしっかり報告することが出来ること

向いている人に大事なことに関してはこちらの記事で詳しくまとめているので、是非一読して頂けると幸いです。

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車掌に向いていない人の特徴

反対に、車掌として苦労しやすい人にも共通点があります。

例えば、「これくらい大丈夫だろう」と確認を省略してしまう人や、焦ると周囲が見えなくなってしまう人です。

車掌の仕事では、一つの小さな判断ミスが運行全体に影響を与えることがあります。

だからこそ、自分の経験や勘だけに頼るのではなく、基本動作を最後まで確実に行うことが何より重要です。

ちょっと違うなと感じたら、一つ前の作業に戻ってみるのはとても大事だと経験を通して感じている部分です。
「多分挟んでいないから大丈夫だろう」そんな気持ちで電車を発車させてしまったら大事故になったり、後々戸袋に物が挟まっていたなど発車に時間を要してしまうこともあります。
一つ前に戻るということはこの場面では、ドアを再度開けてやり直すといった意味になります。

駅到着後にダイヤが乱れていて信号が空いていなかった時に、出発進行できず時間調整後に信号が空いたらどうするか?
正解は信号が開通した時に指を指して呼称することです。
必ずいつもと違った時には一つ作業を戻ってやり直すことでミスを防ぐことが出来ます。

仮に信号が開通してない状態で、出発ブザーを押したら運転士は電車を起動させますが、すぐに停止してしまいます。
信号暴進は重大事故になる一つです。

だからこそ、確認作業はとても大事で、これが出来ない人は向いてないと思います。

私自身も見習い時代は焦ることが多くありましたが、そのたびに先輩から「基本を守ることが一番の事故防止だ」と教わりました。

その言葉は今でも乗務するたびに意識しています。

車掌の仕事でミスしてしまうとどうなってしまうか?
このことについては下記の記事で詳しくまとめていますのでご参考にして頂けますと幸いです。

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車掌に必要と感じる能力

車掌に必要な能力と聞くと、体力や記憶力を思い浮かべる方も多いかもしれません。

もちろんそれらも必要ですが、現場で一番大切なのは「安全を守るための考え方」です。

例えば、

  • 集中力
    →ドアを閉める時に最も求められる力です。
  • 冷静さ
    →急病人発生時、ダイヤ乱れ時、発車待ち時、担当列車に起きた時に状況を把握し乗車中のお客様に伝えること、運転士に情報共有、司令に情報共有、簡潔明瞭に伝えることが大切です。
    自分が落ち着いて対応することで全ての作業がスムースに進みます。
  • 確認する習慣
    →合図の確認、信号の確認、出発時の確認、ドア操作の確認、機器の確認、空調の確認、確認することがたくさんあります。
    毎日同じことの繰り返しですが、確認を怠らないことが安全輸送に必要な力です。
  • 報告・連絡・相談
    →一番大事な能力だと私は思います。
    車掌の仕事は安全に直結する仕事です。自分の判断が小さなことかもしれないですが実は大きな事故につながることだったということもあります。
    報告・連絡・相談が必要なのかなと迷ったら、とりあえずでも伝えておいた方が気持ち的に楽だと思います。
    必要な判断をしてくれるので乗務が楽になります。
    ミスをした時も、人間隠したくなる生き物ですが報告しておくことで、今後の乗務に必ずいきます。
    隠して後々発覚すると証拠隠滅と捉えられしばらく乗務を禁止させられてしまいます。
    誤魔化さずちゃんと報告する力も必要です。
  • 先を読む力
    →異常時が発生した時に、今後どのようなことが想定されるか考える力が必要です。
    折り返し運転をするのか?それとも長時間運転を見合わせするのか?どのように対応するか考え行動することも大事です。
  • 切り替える力
    →ミスをしてしまった時に切り替えられず落ち込んだり引きずったりしてしまいがちですが、同じミスを繰り返さない為にどうしたら良いのか、自分なりに対策する力が求められます。
  • 周囲を観察する力
    →乗務中の駅間は車内の状況を確認しています。
    駅到着後はホーム上の乗り降りを確認しています。
    安全であるか確認しているので周囲を見渡す能力が必要です。

色々書きましたが、これらは一日で身につくものではありません。

毎日の乗務で経験を積み重ねることで少しずつ身についていくものです。

私も新人時代は余裕がありませんでしたが、経験を重ねる中で少しずつ周囲が見えるようになり、安全を最優先に考えられるようになりました。

各記事ごとにまとめてみましたのでご参考にして頂ければ幸いです。

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現役車掌として一番大切だと思うこと

長く車掌として働いてきて、一番大切だと感じるのは「安全を最優先に考える姿勢」です。

時間通りに運転することも、お客様に快適に利用していただくことも大切ですが、それらは安全があってこそ成り立ちます。

そのため、現場では「少しでも危険だと思ったら止める」「迷ったら確認する」という判断を大切にしています。

また、一人で仕事をしているわけではありません。

運転士や駅係員、指令と連携し、お互いに確認し合いながら運行を支えることも車掌に求められる重要な役割です。

責任の重い仕事ですが、多くのお客様の安全を守れたときには大きなやりがいも感じます。

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まとめ

車掌に向いている人とは、特別な能力を持っている人ではなく、安全を第一に考え、基本動作を大切にできる人だと私は感じています。

一方で、最初からすべてを完璧にできる人はいません。

私自身も見習い時代は失敗や不安の連続でしたが、その経験を積み重ねることで少しずつ成長することができました。

車掌という仕事には責任がありますが、その分、多くのお客様の安全を守るという大きなやりがいがあります。

もし車掌という仕事に興味があるなら、「自分に向いているかどうか」だけで判断するのではなく、「経験を通して成長できる仕事か」という視点でも考えてみてください。

この記事内で紹介した関連記事では、それぞれの経験についてさらに詳しく紹介していますので、ぜひあわせて読んでいただければと思います。

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