車掌見習いで毎回怒られていた私が最後まで続けられた理由|向いていないと思った時に支えになったこと

車掌見習いの頃、私は毎回のように怒られていました。

行き先設定を間違えたり、合図を見落としそうになったり、運転状況の報告で秒数を言い間違えたり…。
「またミスをしてしまった」「自分は本当に向いていないのではないか」と、乗務が終わるたびに落ち込んでいたのを今でも覚えています。

周りの見習いが落ち着いて見えると、どうしても比べてしまいます。
夢見ていた車掌という仕事なのに、毎日怒られてばかりだと、心が折れそうになるのも無理はありません。

それでも私は、見習い期間を最後までやり切り、車掌になることができました。

この記事では、毎回怒られていた私が、なぜ途中で諦めずに続けられたのか、そして当時どんなことを支えにしていたのかを、実体験をもとにお話しします。

今まさに見習い中で苦しんでいる方に、「自分だけじゃない」と感じてもらえたら嬉しいです。

毎回怒られていた見習い時代

どんなことで注意されていたか
一番は報告です。
報告する箇所が決まっていて、まず駅発車して駅間中に報告します。
報告内容は、当駅何時何分何秒発車のところ定時なのか遅延しているのか、心身の状態及びその他運転状況について報告します。

報告後に車内放送で次駅・乗り換え案内・出口方向を放送して、駅到着する間際に再度間も無く到着する旨を放送する流れとなっていますが、私はアナログ時計(当時はそれが貸与されていて使用しなければならない)を見るのに時間を要してしまい毎回到着監視がギリギリとなってしまいました。

重要なのは、報告よりも到着監視の方が優先順位は高いです。
正確な報告且つ到着監視をしっかりとすることが見習い中に求められる技術なのですが、中々それが出来ず苦労して毎回注意を受けていました。

定時じゃないし遅れてるよ
時計の照合間違えてるよ
駅到着しちゃうよ

毎回よく注意を受けていました。

今、見習い中の皆様は苦労している方もいるかもしれません。
私はいっぱい注意を受けていたので悩まないで欲しいです。

乗務後に落ち込んでいたこと
注意を受けるとやっぱり凹みます。
次の乗務はうまくできるのかな?
失敗しないかな?
マイナス思考になることも多かったと振り返ってみると思います。

詰所にいると周りとのコミュニケーションを優先しないと行けないと思っていたので、私はよくトイレの個室で次の乗務に向けてイメージトレーニングをして次の乗務によく臨んでいました。

そのイメージトレーニングの内容は、
放送や報告のことではなくて、この箇所ではこの設定をする。
空調はこの駅を過ぎたら必ず確認する
合図のある駅でのイメージ
そんなことをしていました。

「また次も怒られるかも」というプレッシャー
乗務員室は指導員と入っているととても狭く感じます。
注意を受けると次ミスしないかなという雑念があって、ちょっとでも考えると抜け漏れがあっていつも出来ていたことが出来ないことなんてこともありました。

また、その乗務の往路復路で1度ではなく2度注意を受けてミスをひきづるなんてこともありました。

今まさに悩んでいる人は、自分と同じような経験をしていると思います。
なんで、いつも出来ていたのにここでミスったんだ?
次は大丈夫かな?
怒られないのか?
考えれば考えるだけ視野が狭くなったのを今でも覚えています。

周りと比べてしまって苦しかった

同期ができているように見えた
同期は仲間だけど、周りが出来ていると不安が増しているように感じました。
でも、余計なことは考えないように目の前のことに集中する努力はしていたと思います。

とにかく自分なりに最大限の努力はするようにしました。

自分だけ成長していない気がした
同じミスを繰り返すと、成長スピードが止まっているような気がしました。
それと同時にこのまま独り立ちできるのかなんて考えたりもしました。
また、独り立ちこのまましたとしても、どっかでミスしてしまうかとも考えたりしました。

何にしても、マイナス思考の時はマイナスの方向にしか気持ちが向きませんでした。

「向いていないのでは」と考えてしまった

一つのミスならまだしも、
合図を見落としそうになったり
報告もちゃんと出来なかったり
行き先や種別を間違えたり
いつも出来ていた機器点検が疎かになったり
振り返ってみると色々ありました。
その他にも気になるところいっぱいあります。

駅員の経験がそこそこあったので、そっちの方が向いているのかななんて考えることはよくありました。

それでも辞めなかった理由

車掌になるまでに多くの試験を乗り越えたこと
車掌になる前には、身体機能であったり精神機能であったり筆記試験や面接、車掌の採用試験ですら
たくさんあります。
その中でも、ごく数名の人数しか採用されないので倍率もかなり高いです。

車掌の見習いが始まると、座学では規則や基準、電気のことや線路のこと車両のこと安全のこと様々な専門的な知識を学びます。
各項目ごとに中間試験や期末試験があります。

一つずつクリアして行くと、辞めることに対して「こんなところで辞めて良いのか?ここで辞めたら何も残らない」と自問自答して、もう少しもう少しと言い聞かせて乗り越えるようにしました。

簡単になれる仕事ではなかったこと

普段車掌の業務は外から見れる仕事です。
簡単そうな仕事かなと一見そう見えますが、実際自分が乗務してみると全然違いました。

現場で、指導員と一緒に乗務していると常にどんな作業見られているので簡単なんてことは絶対ありません。

現場でも、中間試験や異常時の取り扱い車庫での試験、最終試験色々あります。

人の命を預かる仕事である以上、乗務は一人でするのでしっかり技術を習得する必要があることから苦労することが多かったです。

「ここで諦めたくない」という気持ち

何か試験項目を一つでもクリアすると、そこに費やした時間が全て無駄になるので辞めないと言い聞かせました。
後は、車掌になりたい人はたくさんいる。
その中で採用してくれたのだから頑張ろうと自分を励ました。

支えになったのは「終わりがある」ということ

見習い期間には必ず終わりがある
約半年長いけど、終わりはちゃんとある
先輩達も同じことをやって車掌になっているのだから自分もなることができると思って挑みました。

座学が終われば、残りは半分です。
現場は指導員との相性もありますが、残り数ヶ月我慢すれば解放されます。

今の時代なら、上司に相談すれば指導員の交代もあったりします。
実際にそのような光景も見てきました。

ゴールがあるからこそ頑張れたのだと思います。

今日できなくても、明日できればいい

最初からできる人はいないと思って、自分のペースでしっかりできることをやるようにしました。
教えてもらったことは忘れないように復習をやる。
明日同じことを言われないようにすれば良いと思ってやっていました。

今日より明日出来れば全然良いと思います。
指導員は期日までに仕上げてくれるので、心配せずに言われたことを守るようにすれば大丈夫だと実際自分が経験して思いました。

一日ずつ積み重ねることだけを考えた
実習が始まるとあっという間に感じます。
試験が近づいてくると、やってきたことを活かせば大丈夫と自信がついてきます。

一つずつの積み重ねが間違いなく力になっているので、自分を信じることが大事です。

怒られる=期待されている部分もある

本当に危険なら乗務させてもらえない
期待してるからしっかりと指導してくれます。
最初の頃は、丁寧な作業をし過ぎて定時運行が全然出来なくて3分4分5分と自分の電車だけが遅れていき他の列車を時間調整させてしまい、指導員と乗務を交代するなんてことはありましたが、当時は落ち込みました。
危険でなくてもそう言ったこともあります。

危険ならそもそも乗務させてもらえないと思います。

指導員は安全のために厳しく言っている
確かに私が注意されたところに関しては、お客様に大きな影響を与えてしまうミスなので厳しく指導してくれたのだと思います。
行き先や種別を間違ったらお客様は下車する必要ないのに下車してしまったり、調べて乗車しているお客様も混乱してしまったりします。
合図の見落としをしたら、ドア挟みしたまま発車させてしまうリスクもあります。

一人になった時に、そのようなミスをして欲しくない為に言ってくれるのだと思いました。

後から「あの時言ってもらって良かった」と思えたこと
注意を受けた箇所に関しては今でも、要注意と意識づけ出来ているので「あの時言ってもらって良かった」と今も思います。
ここは注意しなきゃとそんな準備も出来ています。

注意を受けて落ち込むことはありましたが、全て自分の身になっていると今ではそう思います。

今だからわかる、見習い中に大切なこと

ミスを隠さない
隠蔽行為は一番今やっては行けない行為です。
何かあった時に、時間を要してしまい、関係箇所への報告が遅れてお客様に説明できないであったり
何よりやってしまった本人を守ることすら出来ません。

報告することで、エラーとして捉えてくれる場合もありますが、隠すことで信用を失い教育や乗務停止になったり本来やらなくても良いことが増えてしまったりします。

安全が信用につながる仕事なので、ミスしてしまったらその場でしっかり報告するようにしてもらえればと思います。
人間なので、隠したい気持ちはあります。
誰にも気づかれていないから大丈夫であろう
このくらいはミスではない
そう考えてしまう車掌にならないように報告の重要性は見習いからしっかり身に付ける必要があります。

メモを取る
私は、今でも心配な箇所に関してはメモを見たりしています。
メモは心配要素をなくす手段であり道具です。

乗務中は電車の揺れで、何書いているかわからなくなりがちですが聖書するくらいの気持ちでやっておくことをオススメします。

独り立ちして心配事なんてあるのって思うかもしれませんがあります。
例えば、車両の特性とかです。
一旦車庫に入れる場合の合図もそうです。
外泊勤務時の側線に入れた場合の取り扱いなどにもメモを見たりします。

車掌は一人で近くにいる仲間に聞けないので業務知識を理解しておく必要があります。
それを補うのにメモは必須と私は考えています。
是非参考にして頂ければ幸いです。

不安はその場で聞く
指導員がこのくらいは教えなくても良いと思っていても、実際不安に感じていることって結構あります。
なんでも聞いておくことで今後の乗務に必ず役立ちます。
指導員も勉強になったと言ってくれました。

私は、しつこいくらい聞いていました。
最後には不安がないくらいにしたほうが良いです。

できたことも振り返る
見習い期間中は、毎日日記をつけることを進めます。
その理由は今日はなんで出来たのか出来なかったのか今後の対策が組めるからです。

出来たところから出来なくなったところを見返すことで自分の弱点を知ることも出来ます。
自己分析することは合格につながります。

今、見習い中で苦しんでる方へ

毎日怒られても大丈夫
私自信、結構注意を受けてきたと思います。
今毎回の乗務で怒られてしんどい思いをしている方、私も同じように悩んで考えたことありましたが無事に独車することが出来ました。
確実に成長しています。
その悩みはいつか大きな財産となります。

なんで、乗務員に手を挙げたのか
辞めたいと思った時は私はみなさんのお力になりたいです。
終わりまでもう少しです。
一緒に頑張りましょう。

向いていないと決めつけなくていい
向いているから採用されています。
そこは間違いないです。
指導員との相性は絶対あります。
今まで見た中で、人間関係で一番悩んでいる人が多いと思いました。
自分で溜め込まないで、吐き出す環境があれば必ず乗り越えられると思います。

向いてないと決めつけず、発散する窓口を作ることが大事です。
私は、ランニングをしたり筋トレをしたりして汗をかくことで結構リフレッシュ出来たと思います。
人それぞれですが、考え込み過ぎずにしてもらえればクリアできると思います。

まずは身体を壊さないことが一番大事
どうしても無理なことはあります。
車掌になる選択をしても、やはり見習い期間は本当に大変です。
多くの時間を犠牲にします。
毎回のテストの不安や怒られたりしてストレスを溜め込んでしまうことだって全然あります。

身体や心を壊す前に「辞める」という選択肢だってあります。
辞めることに関して恥ずかしいことなんてありません。
チャレンジしたことはとても意味あることだと思います。

身体を壊したら、働けなくなってしまうこともあるので無理し過ぎずダメだと思ったらリタイアを視野に入れても良いと思います。
リタイアしても駅員を経験しているので、今までと同じ仕事をすれば良いだけです。

身体と心は本当に大事にして欲しいと思います。

まとめ

当時はつらかった
本当に辛かったです。
なんでこんなにやることが多いんだ。
土日どんだけ勉強しても不安がなくならず、大丈夫かといつも思っていました。
座学・現場も覚えることの「量」が多くて大変でした。

もう出来ないくらい頑張って、車掌になれたことは本当に良かったと心から思います。

でもその経験が今の安全意識につながっている
指導員からの指導は安全意識につながっていて、今もミスなく仕事できています。
教わったことをしっかり守って基本動作を守っていればミスするリスクは低くなります。

怒られた回数ではなく、そこから何を学んだかが大切
怒られてふてくするのではなく、学ぶ姿勢が何より大事です。
そこに重要なことがあります。
怒られた箇所はどういう場所・時間帯・状況を把握しておくことで今後に役立ちます。

見習い期間を乗り越えた経験は必ず自信になる
選択の幅は確実に広がります。
車掌のままでも運転士に行く道でも監督者に行く道など経験が人生の選択肢の幅を広げてくれます。
チャレンジしたことは全く無駄ではなくプラスに働きます。

この記事が少しでも、悩んでいる人やこれから車掌を目指す人へのお力になる参考の記事になれば幸いです。

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